クラシックカーのある生活ーVol.1 出会いはある日突然に

学生時代のデニムやバイクから始まり、

昔からヴィンテージアイテムには独特の味を感じ好きだった。

今でも身につけている時計は祖父の形見である50年以上も前のグランドセイコーだ。

綺麗にうっすらと赤く焼けている文字盤からは船乗りだった祖父の歴史が見えてくる。

そんな僕がクラシックカーの魅力に惹かれるのは時間の問題だったのかもしれない。

しかし、今となって思うのは出会うきっかけが僕の師でもある”愛情ベースで万物に接するジェントルマン”からで本当に良かったと思う。

師はモナコ在住で現地に多くのクラシックカーを所有している。

洗車ひとつをとってもボディーはどういう風に拭きあげられ磨かれるのが一番気持ちいいのか想像して行ってごらんと教えてくれた。

要するに相手の立場に立って物事を考えようということだ。

クラシックカーは歴史がある分、これまでにどんな人がオーナーだったかで十人十色の癖が付いていたりする。

愛情が注がれ、大切にその個性を保たれてきている個体は、何十年経っていようとスムーズに一発でエンジンが掛かる。また乗る度にいくつかの問題が起こるのもクラシックカーの醍醐味だ。その度にオーナーの人間力が試されるのである。

クラシックカーのある生活からは多くのことを今も学んでいる。

どういう走り方をするのがこの車にとってベストなのだろう?

どういうファッションでドライブに連れ出してあげるのがこの車の価値をあげるのだろう?

これらは普段の生活に置き換えても通づる大切な考えである。

その場の価値を高める振る舞いや装いは双方を幸せな気持ちにしてくれる。

そんな師からの「これ、似合うんじゃないの?」の一言で出会ったのが、

僕の愛車 ピニンファリーナ2000・アズーラ である。

フィアット124をベースにフェラーリなどのデザインを手がけるピニンファリーナ社が製造したライトウェイトの真っ赤なその車体は名古屋の車屋さんにあった。

すかさず積載車を借りて、東京から引き取りに行ったことを昨日のことのように思い出す。